🐾猫と文豪|猫を愛した作家たちの逸話

all

はじめに

猫と作家。
どちらも気まぐれで自由なイメージがありますが、不思議と惹かれ合う関係でもあります。
日本や海外の文豪たちは、猫との暮らしの中で癒しやインスピレーションを得ていました。
この記事では、猫を愛した作家たちのエピソードを紹介しながら、彼らが猫から受け取った“物語”のヒントをひも解きます。

夏目漱石と「吾輩は猫である」

モデルになった猫の存在

「吾輩は猫である」は、漱石の代表作のひとつ。
この物語の語り手は、名前のない一匹の猫です。
漱石の家に居着いた一匹の猫がモデルといわれていますが、漱石は特別名前をつけず「猫」と呼んでいました。
これも、猫の“自由な存在”を尊重していたからかもしれません。

猫と過ごした日常

漱石の書斎では、猫が机の上で丸くなっていることが多かったそうです。
原稿を書きながら時折その寝顔を眺め、心を和ませていたのでしょう。
猫は「文学の影の立役者」だったのかもしれません。

村上春樹が語る猫の魅力

エッセイに登場する猫たち

現代の作家・村上春樹も、エッセイやインタビューで猫への愛情を語っています。
彼の作品には、しばしば印象的な猫が登場します。
例えば『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』や『ねじまき鳥クロニクル』では、
猫が物語の重要なモチーフとして描かれています。

猫は「ただいてくれるだけでいい」存在

村上春樹はこう語ります。
「猫は無理に何かをしてくれるわけじゃない。ただそこにいるだけでいい」
気まぐれで、自分のペースを大切にする猫。
だからこそ、忙しい日常にそっと寄り添う存在になっているのかもしれません。

ヘミングウェイと6本指の猫

ヘミングウェイキャットの誕生

アメリカの文豪アーネスト・ヘミングウェイは、
フロリダ・キーウェストの邸宅で6本指の猫(ポリダクティルキャット)を飼っていました。
この特徴的な猫たちは、今も「ヘミングウェイキャット」と呼ばれ、彼の旧居に暮らしています。
観光客は猫たちと触れ合いながら、ヘミングウェイの文学と人生を感じることができます。

猫から得たインスピレーション

海や冒険を描く作風とは裏腹に、彼の生活は猫と過ごす穏やかな時間に支えられていました。
もしかすると、猫の自由な生き方が彼に冒険心と静けさの両方を与えていたのかもしれません。

結び|作家たちが猫に惹かれる理由

猫は気まぐれで、抱きしめようとしてもスルリと逃げることがあります。
でも、その「自由さ」「自分のペース」を保つ生き方が、作家たちの心を惹きつけてきたのでしょう。
あなたも猫との暮らしの中で、小説の一節のような“静かな物語”を感じるかもしれません。


筆者プロフィール|のりまき猫

猫との暮らし歴20年。現在は保護猫の預かりボランティアとして活動中です。
今までに9匹の保護猫を預かり、新しい里親さんとのご縁を繋げてきました。
自身の経験から、猫を「飼う前」も「飼った後」も知っておくべきリアルな話をお届けしています。

コメント