こんにちは!
日々、保護猫たちと暮らしながら、そのたまらない魅力を発信している、のりまき猫です!
「あ〜、猫ちゃんと暮らしたいな…」「ワンちゃんのいる生活、憧れる…」
その気持ち、すっごくよく分かります! 私も毎日、たくさんの猫たちに囲まれて、その温かさに癒されています。
新しい家族を迎えることを想像するだけで、ワクワクしますよね!
でも、活動をしていると日々思うんです。「その『新しい家族』と、どこで出会いますか?」と。
日本では「ペットショップ」が一番身近な選択肢かもしれません。でも、実はその「当たり前」が、世界に目を向けると、ちょっと、いや、かなり違うんです。
この記事では、私が活動の中で感じていることも交えながら、日本と世界のペットの迎え方を比較してみます。
その背景にある「動物愛護」と「動物福祉」という、似ているようで実は違う考え方にも触れていきます。「え、そうなの!?」という驚きや、ペットとの暮らしをより深く考えるきっかけが、きっと見つかりますよ✨
まずは基本の「キ」!日本の主なペットの迎え方
まずは、私たちにとって馴染み深い、日本でのペットの迎え方をおさらいしてみましょう。
・ペットショップ
ショッピングモールなどにも入っていて、一番身近な存在。可愛い子犬や子猫が並んでいて、気軽に立ち寄れるのが魅力ですよね。
・ブリーダー
特定の犬種・猫種にこだわりたいなら、専門のブリーダーさんから直接迎える方法も。親の顔が見えたり、その犬種ならではの育て方のアドバイスがもらえたりします。
・保護団体・動物愛護センター
さまざまな事情で飼い主がいなくなってしまった犬や猫を「保護犬」「保護猫」として迎える方法。
きっと、皆さんもこの3つは聞いたことがありますよね。では、いよいよ世界に目を向けてみましょう!

【世界の常識①】えっ、ペットショップに犬猫がいない!?
「週末、ショッピングモールで可愛いワンちゃん見て癒されよう〜っと!」
これ、海外では「え、どういうこと?」と驚かれるかもしれません。
実は、ドイツやイギリス、フランス、アメリカの一部の州(カリフォルニア州やニューヨーク州など)では、ペットショップでの犬や猫の生体販売が法律で禁止・制限されているんです。
ペットショップに行っても、そこに子犬や子猫の姿はありません。代わりに、ペットフードやおもちゃ、ケア用品がずらりと並び、保護団体と連携して譲渡会を行う「出会いの場」として機能していることが多いのです。
【なんで?】
この背景にあるのが、次に説明する「動物福祉」という考え方です。
【重要ポイント】「動物愛護」と「動物福祉」、日本の現状は?
ここで少し、大切な言葉のお話をさせてください。「動物愛護」と「動物福祉」、どちらも動物を大切にする気持ちを表す言葉ですが、実は視点が少し違います。
・動物愛護(Animal Protection)
「かわいそう」という感情がベース。動物を虐待から「守る」という側面の強い考え方です。どちらかというと、人間が主体で、「動物を守ってあげよう」というニュアンスが含まれます。
・動物福祉(Animal Welfare)
科学的な視点がベース。動物が身体的にも精神的にも健康で、環境にも満たされている状態を目指す考え方です。動物が主体で、「動物が生まれながらに持つ権利を尊重し、その生き物らしく生きられる環境を保証しよう」という考え方です。
簡単に言うと、「動物愛護」がマイナスをゼロにする(虐待などをなくす)イメージなら、「動物福祉」はゼロをプラスにする(より良い環境で、より幸せに生きられるようにする)イメージです。
そして、ここが肝心なところなのですが、日本では、この「動物福祉」という言葉や考え方が、まだまだ浸透していないのが現状です。私が活動していても、この考え方の壁にぶつかることが少なくありません。
日本の法律の名前も「動物の『愛護』及び管理に関する法律」となっていて、まずは「愛護」の段階。世界基準の「福祉」の考え方が社会の常識になるには、もう少し時間が必要なのかもしれません。
【世界の常識②】「保護犬・保護猫」が、堂々の第一候補!
じゃあ、海外の人たちはどこでペットと出会うの?
その答えとして最も一般的なのが、アニマルシェルター(動物保護施設)からの譲渡です。
「動物福祉」の考えが根付いている国々では「ペットを迎えるなら、まずはシェルターに行こう!」が、ごく自然な文化なんです。シェルターから動物を迎えることが一種のステータスであり、誇らしいことだと考えられています。
シェルターには、本当に個性豊かな子たちがたくさんいます。「可哀想だから」という同情だけでなく、「この子と一緒に暮らしたい!」というポジティブな気持ちで、新しい家族を見つける場所なんですね。
【世界の常識③】まるで就職面接!?厳しい譲渡審査
そして、一番の驚きはここかもしれません。シェルターから動物を迎えるには、非常に厳しい審査が待っています。
「この子ください!」「はい、どうぞ!」なんて簡単な話には、絶対になりません。私たちのような保護活動団体も、命を託すわけですから、真剣です。
・詳細なアンケートや面接
・飼育環境の確認(家庭訪問など)
・トライアル(お試し)期間
「うわ…面倒くさそう…」って思いましたか?😅
でも、これらは全て、動物と人の両方が幸せになるための「ミスマッチ」を防ぐ仕組みなんです。
一度傷ついた子たちが、二度と悲しい思いをしないように。
そして、迎えるご家族が「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように。私たちも心を鬼にして、命のバトンを渡しているんです。

まとめ:私たちにできる、幸せな選択
ここまで世界との違いを見てきて、「じゃあ、私たちにできることって何だろう?」と思われたかもしれません。
日本で「動物福祉」の考え方を今すぐ社会全体で変えるのは、時間がかかるかもしれません。でも、私たち一人ひとりが、今日からできるアクションがあります。
それが、新しい家族を探している「保護猫」や「保護犬」を迎えるという選択肢を、当たり前に考えてみることです。
もしあなたがペットを迎えたいと思ったら、キラキラしたショーケースに足を運ぶ前に、ほんの少しだけ、お住まいの地域の保護団体のホームページを覗いてみてください。
そこには、人懐っこい子、ちょっとシャイな子、甘えん坊な子…いろんな個性を持った子たちが、あなたとの出会いを今か今かと待っています。
その子たちにとっては、あなたが世界のすべてになるんです。
保護猫との暮らしは、毎日が発見と、たくさんの愛情で満たされる、本当にかけがえのないものです。そんな最高に幸せな選択肢があることを、この記事で少しでも多くの方に知ってもらえたら、とっても嬉しいです。
筆者プロフィール|のりまき猫
猫との暮らし歴20年。現在は保護猫の預かりボランティアとして活動中です。
今までに9匹の保護猫を預かり、新しい里親さんとのご縁を繋げてきました。
自身の経験から、猫を「飼う前」も「飼った後」も知っておくべきリアルな話をお届けしています。
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